Mission

企業理念

現在、高齢化社会の進行、生活習慣病の増加、医療費の高騰などの社会的課題が山積しています。しかし、新薬開発の莫大なコスト、時間、労力により、これらの課題に十分に対応が出来ていません。なぜなら、培養細胞、マウス、患者検体を用いた従来の新薬開発手法では、効率的な創薬プロセスが困難であるためです。当社FlyWorks(フライワークス)では、飼育や繁殖が容易、迅速、安価であり、倫理的ハードルがなく、哺乳類と遺伝子や薬物応答が類似しているショウジョウバエ(Drosophila)を用いることで、従来困難だった個体レベルの治療薬探索を可能とし、創薬プロセスの圧倒的な迅速化・低コスト化を行います。具体的には、がん、心疾患、脳梗塞、リウマチ、糖尿病などの各種疾患において、創薬支援受託サービスと自社開発品ライセンスの提供を実施しています。

現在、北海道大学(園下研究室、小松崎研究室)、東京大学(合田研究室)、Icahn School of Medicine at Mount Sinai(Cagan研究室)の研究成果を基盤として、科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム(START)、日本医療研究開発機構(AMED)の創薬基盤推進研究事業、日本学術振興会(JSPS)の研究拠点形成事業の支援のもと、創業に向けて準備中です。

News
2022年03月:Photonics Challenge 2022で最優秀ビジネス賞を受賞
2022年02月:NEDO Technology Commercialization Program 2021で優秀賞を受賞
2022年02月:NEDO Technology Commercialization Program 2021で認定VCを受賞
2021年10月:NoMaps Dream Pitch 2021で優秀賞を受賞
2021年10月:NoMaps Dream Pitch 2021でNEDO TCP賞を受賞
2021年10月:JST大学発新産業創出プログラム(START)に採択

ショウジョウバエはマウスと比べて1000倍安価(1円未満/匹)

ショウジョウバエはマウスと比べて50倍多く繁殖(約20匹/日)

ショウジョウバエはマウスと比べて10倍速く次世代を取得可能(約10日間)

創薬研究において、従来手法と比べて100倍以上の効率化が可能

従来創薬手法の問題

従来の新薬開発では、培養細胞、マウス、患者検体を用いられていますが、それぞれ本質的問題が存在するため、効率的な創薬が困難でした。具体的には以下の本質的問題が存在します。

  • 01 培養細胞を用いた創薬研究

    培養操作は簡単ですが、臓器の立体構造や機能など体内環境の再現が困難であるため、個体特有の現象(体内での薬物のふるまいなど)の模倣が困難です

  • 遺伝子を改変して病気を再現できますが、繁殖や飼育に膨大なコストや手間が必要であるため、大規模な解析(複数の薬物の比較試験など)が困難です

  • 患者の病気そのものを解析できますが、特定の局面のみの切り取りであるため、病気の原因を探るための遺伝子操作実験や治療薬候補を見つけるための薬物投与実験が困難です

なぜショウジョウバエ?

ショウジョウバエは、簡易な設備で取り扱いが可能で、安価(マウスの1/1000倍)で、次世代が短時間(マウスの1/10倍)で多数繁殖(マウスの50倍)でき、倫理的ハードルが存在しないことなど、多くのメリットを有します。上記の従来創薬手法の本質的問題を克服することで、従来困難だった個体レベルの治療薬探索を可能とし、創薬プロセスの超効率化を達成します。

ショウジョウバエを使った新薬開発の成功例として、甲状腺髄様がんの分子標的薬vandetanibがあります。具体的には、甲状腺髄様がん患者で観察されるRET遺伝子の異常(RET[M918T])を模倣した有用なモデルマウスは存在しなかったのですが、グラスゴー大学のRoss Cagan教授(当社技術アドバイザー)がハエを用いて初めてモデル動物を作出することに成功しました。そしてこのハエを活用することで、RET[M918T]の阻害剤(ZD6474)の効果を見出しました。ZD6474は患者の無再発生存期間を延長し、このがんに対する初めての分子標的薬vandetanibとして認可されました。北海道大学の園下教授(当社取締役)は、この他に膵がんの様々な遺伝子型を模倣した初のモデルハエライブラリーを開発し、新規治療薬候補を同定することに成功しています(国際特許出願済み、当社に許諾予定)。

Products & Services

商品・サービス

創薬支援受託サービス

顧客が創薬を希望する疾患に関して、当社が個体レベルの評価(化合物スクリーニング、遺伝学スクリーニング、疾患発症シグナルネットワークの同定など)を受託し、迅速に評価結果を提供します

自社開発品ライセンスの提供

がん、心疾患、脳梗塞、リウマチ、糖尿病などの各種疾患をターゲットとした、当社が創出したリード化合物に関して、情報と使用ライセンスの提供をします

Team

チーム

Walker Peterson

代表取締役社長CEO(暫定)

園下 将大

取締役CSO(暫定)

合田 圭介

取締役CTO(暫定)

Ross Cagan

技術アドバイザー(暫定)

小松崎 民樹

技術アドバイザー(暫定)

FAQ

よくある質問と回答

本当にショウジョウバエで人間の病気を研究できるのですか?

病気の起こり方において、ショウジョウバエと哺乳類が類似しています。実際に、がんなどのヒト疾患で異常が見つかっている遺伝子のうち、ショウジョウバエは75%以上を保有しています。それらの遺伝子異常を再現することで、疾患の模倣が可能です。

ショウジョウバエの薬物応答は人間と似ているのですか?

薬物応答において、ショウジョウバエと哺乳類は類似しています。ショウジョウバエでは、餌に薬物を混ぜることで、簡単に薬物投与が可能です。体内での薬物のふるまいや、薬物が効くメカニズムが哺乳類と共通しています。

ショウジョウバエを使って新薬開発に成功した例はありますか?

甲状腺髄様がん患者で観察されるRET遺伝子の異常(RET[M918T])を模倣した有用なモデルマウスは存在しませんでしたが、グラスゴー大学のRoss Cagan教授(当社技術アドバイザー)がハエを用いて初めてモデル動物を作出することに成功しました。そしてこのハエを活用することで、RET[M918T]の阻害剤(ZD6474)の効果を見出しました。ZD6474は患者の無再発生存期間を延長し、このがんに対する初めての分子標的薬vandetanibとして認可されました。